考察するヒソト

元々ワードプレスでやっていました。執筆に集中したいので移行。色々考えます。

“天然”工作員、あるいは自然農法から採れる工作員

工作員というと、十代二十代のころに政府からみっちり思想教育を受け、外国で諜報活動やら宣伝弘報活動をさせる……といった先入観が日本にはある。日本にはあるというより、世界でもそう認識されている。


プーチンが嘗て所属していたKGBは、我々が想像する工作員(≒スパイ)である。プーチンの場合はスカウトでKGBに入隊した。そして、後に政治家に転身する。


ここで問題・危険性が発生する。工作員の活動が摘発された場合、今までどんな教育・指示を受けてきたか白状する可能性があることだ。


そうなれば国家間の関係悪化は避けられない。国家の機密情報、国内の企業情報を抜き出そうとする人員を組織的に育成している他国は、やはり自国民から好ましくは思われない。


……珍妙に聞こえるかも知れないが、いわゆる工作員たちが、工作員の自覚なく工作員活動をさせれば”発覚”のリスクは除去できる。

インフルエンサー時代の工作員養成
YouTubeに、タイ語やタイの文化を日本人向けに発信しているチャンネルがある。彼らの名誉のためにチャンネル名は控えるが、彼らは実質的に工作員として機能している。


ここで私がいう工作員とは、国家の印象を向上・改善させる働きが生じる諸活動を行う者らを指す。自国の情報を海外に向けて発信するだけなら、それは単なる趣味または経済活動であるが、たとえば国家Aがこれらのインフルエンサーらを表彰するなどすれば、無意識にせよ意識的にせよ、インフルエンサーらは国家Aの暗黒面は政治批判はしにくくなるのだ。その表彰に金銭授与が介在すればなおさら。


いわば工作員の育成ではなく、工作員への誘導である。


この方式では、たとえば国家機密の入手や企業情報の漏洩などは期待できないが、「Cool Japan」の目指しているものは輔助・支援できる。


仮にこのタイ政府がやっている表彰活動を中国政府などがすれば、そのインフルエンサーは例外なく工作員認定されるだろう。少し可哀想だなと思う。


構造としては、総会屋2.0と言われた山本一郎に金銭などを供与し、批判をさせない対策と似ている。但し、機構が反対である。批判を封じるのではなく、宣伝をさせる。