考察するヒソト

元々ワードプレスでやっていました。執筆に集中したいので移行。色々考えます。

「深掘り」なる言葉を私が嫌う理由

昨今、社会人が頻繁に発する「深掘り」(ふかぼり)という言葉。私は嫌いである。

 

なぜ嫌いなのか自己分析してみた。沸々と内面に湧く「嫌い」の感情の源泉がよく分からなかったからだ。

1.既に、掘り下げるという言葉がある

「腹落ち」「腹に落ちる」も私の嫌いな言葉である。既に「腑に落ちる」という言葉があるのに、わざわざ新しい言い方をなぜ創出する?

 

……普段あまり意識しないが、私は教養主義者なのだろう。しかし、「腑に落ちる」の「腑=内臓」は一般的な語ではないため、まだ自分を納得させられるが、「下げる」は日常語彙である。

 

複合動詞という日本語の特質を損なってどうするのだろう。おそらく、「掘り下げ」は名詞(連用形)として少し使いづらいのだ。「下げる」は評判を意図して落とすという意味も含有している。

2.アホが使いがちな言葉である

表面に見える情報以上(以下?)のモノに言及したり説明するとき、「深掘り」していると、その言葉を使う人は思っている。あるいはそう宣伝している。

 

しかし、情報や性質、実相は多角的であり、「浅い/深い」ではない。……ある種の人々が使う「深い」も私は嫌いだ。情報は深度ではない。

 

また、ビジネス界隈やインフルエンサーが好んで使う言葉であることも、私の「深掘り」に対する嫌悪感の一因になっている可能性がある。同様に「自己実現」も嫌いだ。

まとめ

つらつらと記述したが、結局のところ私は(大抵の)新語が嫌いである。若輩ゆえ「老害」認定はされないが、あと十年もすれば「老害の言動」に分類されるかもしれない。